引き続き、「藤井聡太の鬼手」について。
前回も書いたのですが、「鬼手1」はアマチュアの私から見ても当然の一手。
こんな手でトドメを刺される加藤九段は、衰えきったものだな、と思います。
引退も、当然でしょう。
でもね、今でも私たちオールドファンから見たら、
「天才中の天才」と言えば、加藤一二三なんですよ。
ネットで、加藤一二三九段が、一二三九段に見えるから、と、
どんだけ強いんだよ、ネタにされていました。
初手7六歩を指した瞬間に盤上に稲妻が走って将棋盤が真っ二つに割れ、
名人が土下座して、命ばかりはお助けくださいと言うレベル、とか・・
その人たちは知っているのかどうか、
本当に将棋盤を割ったことがあるんですよ、加藤九段は。
(湿気の関係らしい)
加藤九段の全盛時の強さは、藤川球児に例えればわかります。
なのに勝てない。
ストレートが来るとわかっていて打てない、全盛時の藤川と同じ。
天才中の天才と言えば加藤九段だと書きましたが、
天才の才能は、天才と出会った時に最も輝きます。
羽生さんの妙手でも一二を争う伝説の5二銀は、対加藤戦で出たものです。
まあこれは、私なんかより藤井四段(当時)が一番思ったでしょうけど、
全盛時の加藤九段と、指したかったでしょうね。
あと、藤井四段が藤井七段になるまでに、さらに強くなっている、ということは、
「鬼手2」つまり2戦目に藤井四段と戦った豊川七段が、他で言及しています。
私の感覚は間違ってなかったな、と、ど素人ながら思いました。
「鬼手2」のページでは、豊川七段はオヤジギャグとか言ってますが、
よほど悔しかったのか、その後の藤井君の棋譜を研究して、そう思ったそうです。
そりゃまあ、中学生にヒネられて何とも思わないなら、棋士になんてなりません。
「見とれよ小僧、次こそこの俺が地獄を見せてやる」と思うのが当然。
「鬼手3」以降しばらくは、アマチュアでも、
「そこに妙手があるよ」と、ヒントまで付けて問題で出されたら解けます。
プロなら実戦で普通にわかります。
「鬼手」と呼ぶのは変ですが、本の構成上仕方ありません。