「鬼手66」
この3五歩突きは、気分の良い手ですね。
棋士の間で、
「取ってみろと突かれた歩を取れないようでは悪い」
と言われているようですが、その典型。
そして藤井君最高の鬼手と言われている「鬼手74」、7七同飛成。
昨年度の「升田幸三賞」に選ばれた手でもあります。
が、私は、4四桂や5八金を上位に見ます。
理由を書きます。
「同じ局面になったとしても、二度と指させてもらえない手」だからです。
その意味では「鬼手101」も同様。
今後は、6三同金と取った段階で、相手棋士は、
「藤井があっさり自分が不利になるはずがない、何かあるはずだ」
と考えるでしょう。
繰り返しますが、「鬼手101」もこの点では同じです。
時間に追われていれば別ですが、
数分の時間があれば、一流棋士なら、
「7二銀」はギャンブルだ、ということに気づくはずです。
よって、この手を藤井君の鬼手最上位に置くのは、私は反対です。
他の誰がどんなに評価したとしても、私は忖度しません。