それでは「鬼手48」から、ど素人にもわかるように、
同じど素人が解説してみます。
書いたように、本当に「鬼手」と呼べるのは、
この9七桂からだと思います。
だいたいにおいて「桂馬」というものは、2か所しか進めません。
1筋や9筋に打つということは、価値は歩とそれほど変わらないわけです。
その代わり、将棋の駒で唯一、他の駒を飛び越えるワープ航法を使えます。
9七桂は、ヒントを出されても素人には浮かびませんし、
解説していた田中寅彦九段も、思いつかなかったようです。
でも、打った瞬間、8五の香車に逃れる術はなし。
2手後に香車を取れば、6三の飛車の逃げ道もなし。
聞き手の女流プロが「カッコいい手」と表現していましたが、
「芸術的な手」とも表現できると思います。
あと「鬼手57」については、
「平成将棋合戦ぽんぽこ」というソフトが予想したのですが、
すんなりそれを指してしまうところが藤井四段。
この勝利で五段になるわけですけどね。
また「鬼手57」を含め、
ちょくちょく藤井君は、妙手を指した直後に中座してトイレに行きます。
「鬼手57」は、順位戦全勝のかかった対局でしたし、
私一推しの「鬼手62」は、朝日杯決勝で出たものです。
プレッシャーの中、トイレに行きたい中、よく頭が回るものです。
こないだ私は真似をして、トイレを我慢して問題を考えましたが、
あんまり上手くいきませんでした。
当たり前、というか、どうもすみません。