中国史1.夏
禹の子孫の王朝。
夏は日本では伝説あつかいで、存在を正式に認められていないが、
中国ではバリバリの史実として伝えられている。
人徳者禹の子孫が人徳者とは限らないので、
徳のない桀王が殷の湯王にやっつけられて滅亡するのだが、
古代はたたりを恐れるので、完全に滅亡させることはしない。
殷は夏の王族の一人に跡を継がせて小国をつくる。
それが杞という国なのだが、
周りからは伝統国の尊敬と亡国の蔑視を両方受ける複雑な立場で、
空が落ちてくると心配した人が、杞の国の人ということになり、
『杞憂』という言葉までできた。
ま、これについては現代文明も、
6600万年前に恐竜を滅した小惑星の、再度の落下を恐れ、
NASAが各国と協力し、総力を挙げて探索しているけどね。
[夏は史実か伝説か]
殷より古い遺跡がいくつか見つかっているが、
まだまだ日本では実在を認めない論調が強い。
ただ、殷が夏を倒したとされるB.C.17C.末は、
サントリーニ・カルデラの噴火(アトランティス伝説の元)による、
地球規模の気候変動と重なるので、何らかの事件はあったと思われる。
英雄が現われ王朝が交代し、新しい制度や文化ができる、
というのが人文科学的な歴史の考え方だが、
実は歴史は、自然科学的原因によるものもいろいろある。
恐竜絶滅の原因が隕石落下であることはよく知られているが、
太陽活動の増減や、超新星による宇宙線まで、
今後の研究が楽しみな話も多い。
その中でも、火山活動は実は筆頭で、
人類を滅亡させかけた前科を持つのは、火山しかない。
7万年前のトバ火山(インドネシア)の噴火は、
原人を滅ぼし、世界人口を数千人まで激減させた。
当然ながら、私もわからないことは多いが、
書けることは書いていこうと思う。