宇宙2-3.太陽系c「惑星発見物語」
⑦天王星 Uranus
1781年、日本は天明の大飢饉の前年だが、
ウィリアム・ハーシェルが発見した「彗星」は、
何度計算しても彗星とは思えず、
他の科学者が計算し直して、土星の外側を回る新惑星と断定された。
びっくりした天文学者たちは、いろいろな名前をこの星に付けたが、
最終的に天空神ウラノスの名前で固定され、中国で天王星と訳された。
ウラノスつったら、ドラクエ11の・・、とか思う人は甘い。
後に発見された天王星の第8惑星の名は、ビアンカだ。
フローラなんて私は一度も嫁にしたことはない。ビアンカ一択。
中国史に書いたが、
コロンブスの前に、北方のバイキングはアメリカに到達している。
天王星も、ハーシェルが純粋に初ではなく、
もっと前に見つけた人はいたのだが、
普通の星、つまり恒星だと思ってしまったわけだ。
6等星なので、ギリギリ目に見えるのだが、
誰も惑星なんて思わなかったわけだな。
天王星は、というより天王星型惑星は、ガスと氷から成る。
有名なのは、自転軸がほぼ垂直に傾いていることだ。
故に天王星の昼も夜も、42年間続く。
⑧海王星 Neptune
新惑星天王星に、世界中の天文学者が注目するのは当然だ。
彼らは観測を続け、天王星が動くはずの軌道を計算した。
すると、何度計算しても、天王星はわずかにその外側にズレるのだ。
天文学者たちが出した結論は、
「外側にもっと大きな惑星があり、その重力が引っ張っている」
である。
1846年といえば日本は黒船が来る前、和宮殿下が生まれている。
コンピュータどころか電卓すらない昔だ。
イギリスのアダムズとフランスのルヴェリエは計算を続け、
ルヴェリエの予想でドイツのガレが望遠鏡を向けた先に、その星はあった。
(ルヴェリエの予想は正確で、誇張ではなく海王星は一晩で発見された)
英仏独、世界中の科学者が努力して見つけた星だ。
また、いろいろな名前が提案されたが、
最終的に、ルヴェリエ提案の Neptune に落ちついた。
東洋では、海王星と呼ばれる。
海王星の発見者は、上記の3人ということになっているが、
驚いたことに、ガリレオの木星のスケッチに海王星が描かれているらしい。
当然だが、彼はその星を惑星だとは思っていない。
天王星発見から65年後のことだ、科学も進んでいる。
計算してみると海王星も、天王星と同様に外側にズレながら公転する。
天王星の軌道のズレも、海王星だけでは説明できなかった。
当然、結論はこうなる。
「さらに外側にもっと大きな惑星があり、その重力が引っ張っている」
今度は俺が、と、数々の天文学者たちが計算したが、
天王星と海王星を引っ張る巨大惑星は、見つからなかった。
その間に、天体写真というものが開発され、
その膨大な写真を見ていたアメリカのトムボーが見つけたのが、冥王星だ。
冥王星は、太陽系最小の惑星とされ、今では惑星からも外されている。
そんなものが天王星や海王星を引っ張るわけがなく、発見は偶然だ。
170年間、彼らが見つけようとした「巨大惑星X」は、未発見のままだ。
このことは、また後で話すよ。