数学帝國への逆襲 (西春自習質問教室のブログ)

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宇宙1-1.月と太陽a「月」

宇宙1-1.月と太陽a「月」

やっと地球を離れることになったな。
けっこうここまでに時間がかかったが。

月までの距離は約38万km、地球唯一の自然衛星だ。
直径は地球の約4分の1、重さや重力は地球の81分の1、
表面重力が6分の1なのは、月が小さいので表面が中心に近いからだ。

単純計算で、垂直飛びで30cm飛べる人は、それが180cmになる。
バスケ部は行ってみたいだろう、ダンクシュートのかまし放題だ。
逆に水泳部は駄目、月の表面はほぼ真空なので水は即座に蒸発する。

さらに月は、昼間、つまり太陽が当たっているところは、
紫外線も当たり放題だし、温度は100℃くらいになる。
夜は逆に、マイナス170℃だ。
子供のころから思っていたのだが、
よくもまあ昔の漫画家やSF作家は、
こんなところに月面基地を造る未来を描いたものだ。

ところが現実に、月に基地を建設する計画はある。
それも、アメリカと日本で。
温度や紫外線の問題はどうするのか?
そろそろ予想がついたよね? 月面じゃなく、地下に造ればいいんだよ。

月も大昔は、地球と同じように火山活動があった。
今ではもう収まってしまって、何の変化もないのだが、
かつてマグマが造ったドームが、そのまま残っているのだ。
そこが、月面ステーション建設予定地だ。

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第1候補の縦穴 マリウスの丘

地下にステーションを造ることは、もうひとつ利点がある。
月に大気がないことで降りそそぐ隕石から、身を守れるのだ。
でかいヤツが来たら・・、って、それは地球も同じだ。

月面のある場所にぽっかり空いた穴に、宇宙船が吸い込まれていき、
そこの滑走路から、ロケット噴射で出てくる船もある。
それが、現実未来の月面基地だ。

アメリカと日本、と書いたのは、
技術的にやはり、その二国が他から抜けているからだ。

アメリカは、過去の実績はダントツに見えるが、
昔からアメリカのロケットの先端は、日本の町工場で造られている。
先端だけは、ほんの少しでも狂いがあると全てがおかしくなるので、
日本の技術でないと信用できないのだ。

そもそも第二次大戦の時、日本の航空機の性能は圧倒的で、
アメリカやイギリスは、大きさやパワーで対抗していた。
アメリカほど、日本人が細かい技術が得意だということを知る国はない。

もうひとつ、理由があって、
中国が狙っているのだ、月を。

話がずれるようでずれないのだが、
原子力発電、と聞くと、危ない技術、というイメージがあると思うが、
それは今の原発が全て核分裂炉(原爆の技術)だからであって、
核融合炉(水爆の技術)が完成すれば、全て解決する。
核融合炉は今の原発の数十倍のエネルギーが得られ、
何より放射能が無い。

その核融合炉の原料であるヘリウム3が、月の表面にはあるらしい。
14億もの人口を抱える中国様としては、絶対に手に入れたいわけだな。
だから彼の国は、嫦娥1~5号で、月面に挑み続けている。
嫦娥というのは、古代中国の月の女神のことで・・、って、
国史じゃなかったな、ここは。