宇宙2-2.太陽系b「外惑星」
③は地球なので略。
④火星 Mars
火星は確実に、人類が初めて到達する「惑星」になる。
地球から赤く見えるので、軍神Mars の名が付いたのだが、
それは赤土が原因で、燃えているわけではない。
また、火星人の伝説は、望遠鏡で火星の表面を見た天文学者の、
「火星に溝のようなものが見える」を、
「運河のようなもの」と誤訳したことで一気に広まった。
とはいえ、今では、
火星にはかつて水が存在したことが明らかになり、
生命が存在したことがあるかどうかを、調査中だ。
一応二酸化炭素の大気はあるのだが、
気圧が地球の1割以下なので、宇宙服無しではいられない。
火星に住む、となると、
昔の漫画にある月面基地みたいなものを造る必要がある。
あと、火星には、フォボスとダイモスという二つの衛星がある。
あまりに小さく、火星人の人工衛星ではないか、と言われたが、
写真にくっきりクレーターが写る自然衛星で、
そもそも小さいという感覚自体が間違い、
地球に対する月がでかすぎるのだ。
したがって、でき方ははっきりしていない。
ジャイアントインパクト説と捕獲説がある。
⑤木星 Jupiter
神の中の神 Jupiter の名を付けたのは、古代地球人の大ヒットだ。
太陽系で一番大きく、もう少し(倍程度だが)大きかったら、
中心付近で核融合が始まって、太陽と同じ恒星になったらしい。
木星と土星はガス惑星。
中学の教科書に、惑星は地球型と木星型があると書いてあるが、
今は、天王星と海王星は、天王星型に分類されている。
次の教科書から、上の記述は消えるだろう。
木星に明確な地面はおそらく無いし、あっても超重力なので、
人類が着陸することはあり得ない。
土星も同様。
だが地球以外の太陽系で、生命の存在が一番期待されるのは木星だ。
本体ではない、衛星の方。
木星の衛星は、現在までに79個みつかっていて、
最初の4つが「ガリレオの衛星」と呼ばれるものだ。
ガリレオが見つけたから特別に名前が、とか、その程度ではない。
史上初めて発見された、地球以外のものの周りを回転する天体だ。
「全ての天体は地球の周りを公転する」という天動説に対して、
ここに例外がある、とガリレオははっきり示したわけだ。
名前は内側から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
このうち、エウロパ以外は月より大きい。
そしてこの衛星たちの地下に、海が存在するのではないか、という。
現実に、エウロパに水蒸気があることはわかっている。
ただやっぱり、着陸するには非常な度胸がいるけどね。
太陽と水星の関係と同じで、失敗したら木星の重力から逃れられない。
つまり今のところ、使い捨ての無人探査機を計画するしかない。
⑥土星 Saturn
土星の西洋名サターンは農業の神であり、悪魔のサタンではない。
だいたい悪魔の Satan の発音はセイトンだ。
小学生が買うような小型望遠鏡で環が見える唯一の星だ。
見つけたのはやはりガリレオだが、彼は「出っ張り」と思っていた。
天王星や海王星にも環はあるし、木星にも一応はあるのだが、
木星の輪なんて、衛星イオの火山の噴出物が、
木星に落ちる前に回っているだけだ。
また、土星の環はいくつかに分かれていて、
その隙間をカシニの間隙とかエンケの間隙とか言うのだが、
土星はそこに衛星が回っていて、これを羊飼い衛星と呼ぶ。
(天王星海王星にもある。木星にはない)
土星の最大衛星タイタンも、月より大きい。
(ガニメデとタイタンは水星よりも大きい)
やはり地下に水が存在するのだが、
地表は液体のメタンが湖や川、さらに三角州とかまで作っているようだ。
よって、人類が後の世で到達する太陽系の基地候補は、
惑星の、水星、(金星)、火星
衛星の、月(実現済み)、ガリレオ衛星、タイタン
(天王星海王星の衛星にも、いくつか候補はある)
あとは、準惑星かな。