宇宙0-1.地球a「宇宙世代」
宇宙について連載しようと思った理由をもう一度書きます。
・中国史の連載がネタ切れ気味だったこと。
・高校生に語るなら私だという自負があること。
・コロナ対策で家にいる生徒たちも暇だろうと思ったこと。
この他にもうひとつ大きな理由があります。
・君たちはもしかしたら、宇宙に行ける世代かもしれないこと。
私は、無理でしょう、百まで生きたとしても。
でも君たちはもしかして、君たちの子供の世代は普通に、
宇宙に行くことができると思います。
ここから私が書くことをよく読んで、
宇宙に行く準備を、怠りなく進めてください。
行きたくないとか?
つべこべぬかすな。
行けよ。
無茶苦茶うらやましいんだ、私は。
宇宙だぞ。
漫画やファンタジーの世界に、行ってみようとは思わないのか?
この後で説明するが、費用はおそらく数百万で済む。
月? おそらく数千万で行ける。
君たちの子供の時代かもしれないが。
根拠を書こう。
スペースシャトル計画は中止になった。
ロケット? あんな爆弾の塊に乗らなくても、宇宙には行けるのだ。
なぜなら、あと数十年以内に、
宇宙まで、エレベーターで行けることになるからだ。
静止衛星軌道上の宇宙ステーションまで、エレベーターに乗って移動する。
これを、宇宙エレベータまたは軌道エレベータという。
こんなのだ。
漫画? SF? 絵空事? 違う。
すでに日本の大林組が、建設会社として名乗りを上げている。
技術的にあと少し足らないところもあるから、正式なものではないが。
第一、もしこれが現実段階でないのなら、
NASAが大金をかけたスペースシャトル計画を、中止にするものか。
一回で語るのは惜しいし、長くなるので、
軌道エレベータについて詳しく書くのは次回に回す。
だが、行けるんだよ宇宙に、君たちは。
条件は、二つだけだ。
もちろんひとつめはカネ。
書いたように、数百万はかかる。
だが、スペースシャトルみたいにロケットで行くなら、億だぞ。
それに比べたら現実のカネだ、数百万は。
エレベーターを動かす電気は、ステーションでの太陽光発電だろう。
燃料費はかからない、かかるのは建設費回収分と維持費のみ。
だから一人数百万になる、小さめの家を建てるくらいのカネだ。
一生懸命勉強し、真面目に働き、カネを稼いで、宇宙に行け。
行けるのだから。
ふたつめの条件は、健康。
宇宙ステーションが、SFに描かれているように、
遠心力を重力の代わりにして、普通に暮らせたとしても、
途中のエレベーターは等速直線運動だ、ほぼ無重力になる。
体中にかかっていた重力が無くなるのだ。
例えば虫歯があったとしよう。
その虫歯を、常に上に向かって引っ張られ続けたら、
とても我慢してはいられないことは、わかるだろう。
体内に病巣があったら、さらに酷い目に遭うことは簡単に予想できる。
宇宙に行くためには、完璧に近い健康が求められる。
ひとつめの条件もふたつめの条件も、
君たちの孫の代には解決しているかもしれない。
軌道エレベーターが世界にいくつも建設され、皆が利用すれば、
価格も安くなるだろう。
(静止衛星軌道で繋ぎ合わせたものを、宇宙ネックレスという)
無重力の問題も、別の方法で解決されるかもしれない。
だが、そこまで期待するのはまだ早い。
だからこれは私の心からの忠告だ、真面目に健康に生きろ。
君たちはおそらく、宇宙に行くことができるのだから。
私は、宇宙に行くことができるなら、何を犠牲にしてでも行くけどな。
虫歯どころか、歯なんて全部抜いてもいいよ。