数学帝國への逆襲 (西春自習質問教室のブログ)

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中国史緊急投稿3 コロナウィルス関連

国史緊急投稿3 ウィルスとパンデミックの解説

あまりにもおかしな情報が、また出回っているので。
国史云々より、私の本職、理系の先生として書きます。

コロナウィルスに対応した医療関係者やその家族が、
バイ菌呼ばわりされているというニュースがあった。
あってはならない、とか、人間として、とか、
当たり前のことを書くつもりは私はない。
うちの生徒で、それがわからない者など一人もいないからだ。

もっとその前の話だが、
バイ菌とウィルスを一緒にするなよ、中高生レベルの理科だぞ。
黴菌の「黴」の字は「カビ」という意味で、
中3の理科で習った分解者、「菌類細菌類」のことだ。

生物であることの条件はいくつかあるが、主なものは、
1.子供をつくることができる。
2.呼吸でエネルギーを得る。
3.細胞からできている。
バイ菌つまり菌類細菌類は、これを全て満たしている。

ウィルスは、基本的にDNAまたはRNAとタンパク質のみでできていて、
上の条件のうち「1」しか満たしていないので、
生物と無生物の中間、無生物寄りと今は考えられている。

特に「2」は重要で、
菌類細菌類は自分で呼吸しエネルギーを得るので、単独で生きられるが、
ウィルスは他者にとりついてその生物のエネルギーを利用するしかない。
だから、菌類細菌類には善玉菌もいるが、ウィルスにはいない。
「乳酸菌入り」飲料はあっても「○○ウィルス入り」飲料はない。

とはいえ、菌類細菌類とウィルスに共通していることは、
大半のものは無害で体内にあってもそれが普通、ということだ。
私たちは多くの細菌やウィルスを体内に持って共生している。

まずひとつめの結論、バイ菌とウィルスとは全く別。
医療関係者やその家族をバイ菌と罵る人たちは、
他人を差別しながら無知をさらけ出しているだけだ。

さらに、ふたつめ、
日本政府の対応が不味く、パンデミックが起こっていると言う人がいる。

違う。
パンデミックは、世界的大流行だ。
ここでも、14世紀のペストで例を出したはず。
国内つまり限定地域での流行をエピデミックと呼ぶが、
1億人の人口の100人が感染して、どこがエピデミックだ。

今現在中国で起こっていることがエピデミックで、
クルーズ船からの帰国者が、万が一ヨーロッパに広めたらパンデミックだよ。
韓国の感染者が、30→50→100→200→400、
と「指数関数的に」または「等比数列的に」増えているが、
これが今後も続いた場合は「アウトブレイク」と言う。

今絶対にやってはいけないことは、
パニックになることと、パニックを助長演出してしまうことだ。
その意味で、現在のマスコミや一部の人たちの態度には、
私は否定的な見解を持つ。

感染者100人の中で、もう退院した人や、
濃厚接触した人の経過観察も終わった人が何人も出ている。
厚生労働省のサイトを見てみろ、
役人は役人なりに、仕事はしているぞ。
不確かな情報で騒いでいる連中より、よほどまともだ。

落ちついて、経過を見守るべき。
最初に書いた、気をつけることを再掲する。
1.マスクと手洗いで、感染確率を下げること。
2.大勢が唾液を飛ばすところを避けること。
3.もしかしたら、と思ったら病院に行くこと。
プラス
4.意味のない差別をしないこと。
5.パニックにならず冷静に生活すること。

以上。
半月前に書いたことと、たいして変わっていません。